保険で積み立てをするときなどには、積立利率や金利という言葉を使いますが、それぞれの言葉は意味は似ているようで実は違う言葉です。
この言葉を誤って理解してしまうと本来このくらいお金が増えると思っていたのに全然増えていないということにもなりかねません。
実際に増える金額なのか、それとも表面的なものなのかということを理解しておきましょう。


積立利率とは?

保険で積立をしていく場合に、支払った保険料よりも増えて返ってくるということが積立貯蓄型保険ですが、この積立貯蓄型保険で増えていくお金がどのくらいの利率で増えていくのかという「実質的な利回り」のことを「積立利率」といいます。
保険会社は積立をされている皆さんから集めた保険料を預かって保険会社で国債などを使って運用をしています。
そこで得た利益をすべて還元するわけではなく、保険会社も人件費やオフィスの管理費などがかかっているため、かかる経費を引きます。
そこで経費まで引かれて保険で積立をされている皆さんに還元できるお金を利率に直したものが「積立利率」となります。
また保険で積立をする場合には、保険料のすべてが貯蓄に回るわけではなく、保険という仕組みの関係上、万が一に備えて保険会社も準備しなければなりません。
そのため、保険会社が「貯蓄に回せるお金」の中での利率という意味でも捉えることが可能です。
このことから、積立利率と実際の利回りが一致しないこともあります。


金利と積立利率の違いとは?

積立利率と似たような言葉の中に「金利」という言葉があります。
金利とは、積立利率とも似ていますがイメージとしては銀行に預けたお金「全額」が増えていく利率というものがあるかと思います。
そのため、積立利率との違いは、先ほども少し触れたように「保険料全額に対して、〇%で増やします」という「金利」のような考えではなく、「保険会社が必要な経費や万が一に備えて準備するお金を『除いた』お金を〇%で増やします」という考えになります。
したがって、仮に毎年3%の積立利率で増えていくという考え方があるとすれば、それは保険料全額が3%毎年増えるわけではなく、保険会社が貯蓄に回せるお金を毎年3%で増やしていくということに過ぎないということになります。
そのため、金利と積立利率は似たような言葉ではありますが、意味は一致しません。


他にも似たような言葉がたくさんある!

今まで積立利率と金利についてお話をさせていただきましたが、もう一つ似たような言葉として「予定利率」というものがあります。
これも保険を契約する皆さんにとっては似たような言葉ではありますが、なかなか違いが分からないという言葉の一つでもあります。
「予定利率」とは、保険会社が保険料を決定する基準の一つであり、保険会社が「このくらいの利率でお客様からお預かりした保険料を運用していきます」という指標となります。
この予定利率は主にどこに使われるかというと「保険料をこのくらい支払ったら、〇〇〇万円の保障を万が一受けることが出来ます」という保険料と受けることの出来る保障の関係に使われます。
まれに「予定利率が最低〇%」という保険商品もありますが、この「予定利率」を「積立利率」に置き換えてしまうと、本来〇%以上増えると思って契約したのに、半分しか増えていないということも考えられるのです。
そのため、積立利率、金利、予定利率の3つは特に注意をして見極める必要があります。


まとめると、


  • 積立利率は保険会社が貯蓄に回すお金の運用利率
  • 金利は金融機関に預けたお金全額が回る運用利率
  • 予定利率は保険会社が保険料設定のためなどに使う運用指標の一つ

ということになります。

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