お子さまの大学への進学資金を貯めるためによく使われる学資保険。
しかし、近年では学資保険以外でお子さまの学資を貯めるという方法がたくさん出てきました。
代表的な例として、親御さんの証券口座でのつみたてNISA、2023年をもって新規開設はできなくなってしまいますが、ジュニアNISAなどの投資であったり、終身保険での運用を活用した積立貯蓄型保険の解約返戻金を使った学資積立の選択肢があります。
ここでは積立貯蓄型保険での学資の積立をご説明していきます。


積立貯蓄型保険とは何か?

積立貯蓄型保険とは終身保険を活用したものですが、終身の死亡保険は万が一の死亡保障が主な目的です。
しかし、終身保険の中には死亡保障を持ちつつも、保険料の一部を積み立てていき、保険料を支払い終わった後や一定期間が経つと、支払った保険料よりも解約した時のお金である解約返戻金の方が多く返ってくるというものがあります。
これを積立貯蓄型保険といいます。積立貯蓄型保険を活用することによって、万が一の死亡保障はもちろんのこと、死亡保障が必要なくなった時も一定期間後に解約をすることによって今まで支払った保険料が無駄にならずに済む、状況によっては増えて返ってくるということが可能になっています。


なぜ学資保険の代わりとして積立貯蓄型保険が使われるようになってきたか

一昔前のお子さまの教育資金の積立は間違いなく学資保険が使われていました。
現在学資保険が完全になくなったかというとそういうわけではありません。
現在でも学資保険は残っております。 しかし、近年では積立貯蓄型保険が学資保険の代わりとして使われるようになってきました。
その理由として、次のようなものが挙げられます。


積立貯蓄型保険の方が運用効率がよくなった

近年の低金利の影響で、学資保険は全くと言っていいほど増えない保険商品となってしまいました。
一昔前の低金利に入る前であればよかったのですが、現在は支払った額とほぼ同じ額しか戻ってこない、また特約を付けることによって支払った額よりも少なく返ってくる学資保険もあるほどです。
また低金利と合わせて学資保険の仕組みの一つである、入学お祝い金によって積立金が減り、大きな額を長い期間運用することが出来ないため、最終的に積立貯蓄型保険の方が運用効率がよくなっているという現状になります。
特に積立貯蓄型保険の中でも運用効率が良い米ドルでの積立貯蓄型保険を用いて学資を貯められる方が急増しております。


積立貯蓄型保険でも学資保険の要件を満たしているから

学資保険の保険的な内容として、親御さんに万が一のご不幸があった場合には、保険料の支払いがなくなるなどのしくみが学資保険にはあります。
このような親御さんに万が一のことがあったとしても、積立貯蓄型保険は対応することが可能です。
もともと積立貯蓄型保険は終身保険であるため、親御さんのお名前で保険をかけていた場合には、親御さんに万が一のことがあると死亡保険金として配偶者やお子さまに死亡保険金が下ります。
この死亡保険金を学資として利用することも可能であるため、積立貯蓄型保険でも学資保険の代わりとなるような要件がすべてではありませんがそろっています。


このような理由から、近年では学資保険の代わりとして積立貯蓄型保険が用いられるようになりました。特にその中でも米ドルの積立貯蓄型保険がよく利用され、日本円建ての従来の学資保険はなかなか使われないケースが多くなってきました。


それぞれをどのように使い分ければよいのか?

学資保険よりも近年では積立貯蓄型保険が使われるようになったという状況ではありますが、それぞれの保険も特徴があります。
例えば、積立貯蓄型保険は解約をすることによって支払った保険料よりも増えて返ってくるという仕組みを使いますので、基本的にはお金を受け取れるのは解約時の1回となります。
そのため、例えば中学校入学や高校入学でもお金が欲しいということであれば、学資保険でしか出来ない選択肢となりますし、逆に大学入学に備えて貯蓄をするという出口が1回のみであれば積立貯蓄型保険も視野に入ってきます。
そのため、「どの時期を目指して学資保険あるいは積立貯蓄型保険を使うか」ということをまずはご検討いただき、学資保険にするか積立貯蓄型保険にするかを決定していくことが重要です。

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