外貨建て貯蓄型保険が最近よく出回っており、多くの方が加入されている保険ではありますが、一方で非常に苦情の多くなっている保険であることも間違いありません。
なぜ近年外貨建て貯蓄型保険が注目されているか、そしてそのメリットとデメリットをここであげていきます。
外貨建て貯蓄型保険はメリットももちろんありますが、注意しなければならないデメリットがありますので、よく比較をしてご検討いただくことをおすすめいたします。


外貨建て貯蓄型保険とは?

そもそも外貨建て貯蓄型保険が何かということですが、通常保険は「円」で支払って、解約するときや保険金を受け取るときも「円」でもらうという形がスタンダードでした。
しかし、近年の日本の低金利の影響で、日本円で貯蓄をするとなかなかお金が増えないという状況になってきました。
これは保険でも同じことが言えます。
日本円で保険を掛けると、保険料に対して保障が手厚くならない、支払った保険料に対して、解約した時のお金(解約返戻金)が全然増えず貯蓄の意味をなさないということが近年では起こっております。
そのため、日本円よりも金利が高い「米ドル」を使って「米ドル」で保険料を支払い「米ドル」で運用をして保険金も「米ドル」で受け取るという仕組みが外貨建て貯蓄型保険の仕組みになります。
もちろん保険会社は「円」で支払い、受け取りが出来る仕組みを作っておりますので、実質的には運用をするときのみ「米ドル」を使っていく形になります。


外貨建て貯蓄型保険のメリットとデメリット

外貨建て貯蓄型保険の最大のメリットは「運用効率」の良さが挙げられます。 もちろん各社違いはありますが、現在の日本円の運用では出すことの出来ない運用効率を外貨建て貯蓄型保険ではあげることが可能です。
特に近年では、学資保険の代わりとして、また老後への蓄えを作る手段の一つとして、外貨建て貯蓄型保険を使われる方も増えてきております。
また、この運用効率の良さをもとにして、日本円での保険と同じような保障内容でも保険料を下げることが出来るというメリットもあります。


一方で、最大のデメリットとして挙げられるものとして「為替リスク」があります。
仮に毎月1万円をドルに替えて20年間積み立てて、最終的に25000ドル手元に残ったとします。
日本円で積み立てた元本は240万円ですから、1ドルが96円を下回った(円高になった)場合には、ドルを日本円に戻した場合、240万円を下回ることとなります。
したがって、最後に日本円に替えたとき、ドルベースでは利益が出ていても損失が出ることがあります。


これが外貨建て貯蓄型保険の最大の注意点でありデメリットです。
この他にも、外貨建て貯蓄型保険のデメリットとして、毎月の積立てる保険料が米ドルをもとに計算をされているため、保険料が毎月変動するということも挙げられます。
そして、営業マンに勧められるがままに外貨建て保険に入ってしまい、クーリングオフをしたくなった場合には、クーリングオフは可能ですが返ってくるお金は外貨をもとに計算をされるため、日本円に直したときに損失が出てしまう可能性もあります。


外貨建て保険と円建ての保険、どちらがいいの?

外貨建ての保険の仕組みとメリットデメリットをあげてきましたが、円建ての保険との比較をして、どちらが良いかはなかなか決めづらいところでもあります。
しかし、「安定性」を求めるのであれば円建て、為替のリスクも考慮した上で「運用性」を求めるのであれば外貨建てが優位です。
また、運用効率で見た場合、運用期間が長ければ長いほど外貨建ての運用効率の優位性が顕著になってきますので、運用期間が短い場合には円建てと外貨建てでそこまで運用効率が変わらない場合もありますので、「安定性」か「運用性」のどちらに重点を置くか、そして運用期間が長いのか短いのかということも考慮して外貨建てか円建てかをご検討いただくことをおすすめいたします。

記事一覧

保険に関する人気記事